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治療例 −褥瘡−


褥瘡は治療しても意味がないという方がいますが,大きな間違いです。誰でも,自分自身の体に傷があって楽しいはずがありません。傷があれば,当然皮膚の機能障害を起こします。褥瘡は治らないというのは勘違いです。常に圧迫とズレに注意し,適切に「傷のケア」をしていけば,治る可能性は十分あります。

褥瘡の皮下ポケット切開
















(1)尾骨部に近い褥瘡。線は隠れている皮下ポケット(皮下に広がっている隠れている傷)の範囲。左が頭側,右が下肢側。
体表面の非常に小さい傷から,皮下の大きな傷の処置ができるはずがありません。
(2)皮下ポケットを切開。この写真では右が頭側,左が下肢側。 右大転子部褥瘡。体表面の傷(矢印)は小さいが,皮下に大きなポケット(黄色の線の範囲)。この状態で,長期間表面からの処置が行われていた。
これでは,治りません。

(1)尾骨部の褥瘡。8時の方向に(後ろから見て12時の方向が頭側)に皮下ポケットがあった。 (2)皮下ポケット切開。皮下ポケットの奥に,腐骨を認め,除去した。写真では右が頭側,左が下肢側。 (3)その後,順調に治癒。
周辺皮膚も,できるだけ健やかに。











治療のポイント
(1)大きな皮下ポケットは切開や切除を

(2)褥瘡内が,十分観察できるように

(3)体表面の傷が小さく見えても,皮下に大きな傷が隠れていることがあります