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治療例 −褥瘡−


褥瘡は治療しても意味がないという方がいますが,大きな間違いです。誰でも,自分自身の体に傷があって楽しいはずがありません。傷があれば,当然皮膚の機能障害を起こします。褥瘡は治らないというのは勘違いです。常に圧迫とズレに注意し,適切に「傷のケア」をしていけば,治る可能性は十分あります。

創傷被覆材の効果

(1)右大転子部(あしのつけ根の外側)の褥瘡。抗生剤入りの軟膏とガーゼで処置をされていた。1ヵ月近く経過しても改善しないため,紹介された。抗生剤入りの軟膏で,湿潤環境を期待していたとのこと。
右が下肢側,左が腹部側面,下が殿部側。
(2)創傷被覆材で,10日前後で治癒。
創傷被覆材の治療中,急激な全身状態の低下があった方であるが,傷はきちんと治癒した。身体の状態を考えると,抗生剤入りの軟膏を使っていた時期に比べて,治りにくかったはずである。それでも,治癒した。
患部の状態を考え,外用剤や創傷被覆材を使い分ける必要があります。

(1)右大転子部褥瘡,他の例。やはり,抗生剤入りの軟膏とガーゼで処置をされていた。難治性のため,紹介された。下肢に拘縮(関節などがかたく固まり,動きにくくなった状態)あり。
右が下肢側,左が腹部側面,下が殿部側。
(2)創傷被覆材で短期間で治癒。
抗生剤入りの軟膏による湿潤環境の期待には,限界があります。
きちんと使い分ける必要があります。また,長期,抗生剤入りの軟膏を使い続けるのは,いかがでしょうか。











治療のポイント
(1)外用剤や創傷被覆材の使い分け

(2)観察と確認,そして考える